■『月光界・逢魔が時の聖地』3巻 麻城ゆう(新書館)

【あらすじ】
 妖魔の暗黒丸は、母親殺しの罪人と信じる兄ショッキング・ブルーを追ってハンカの国へとやって来た。そこでひょんなことから月の司祭に選ばれた彼は、しだれ沼の警備隊長ロックと知り合った。
 一方、ブルーの方はハンカの主宰ターコイズと知り合い、彼に協力することとなる。
 やがて、年に一度、しだれ沼の聖霊獣に生贄を捧げる儀式の日。ブルーはその生贄と入れ替わり、しだれ沼に入り込むことに成功するが――。


 『月光界』シリーズの最終巻を、やっと読み終えました。
 読み始めたのが春ごろだったので、いったいどれだけ時間がかかっているんだ〜って話ですが。
 それはさておき、内容の方は――面白かったです。
 最初の方の巻で引かれていた伏線もきっちり拾われ、なによりハッピーエンドだったわけですし。
 そして、最後までブルーはブルーだったところが、なんとも。

 ちなみに、この新書館でのシリーズはかつて大陸書房で刊行され、その後角川に引き継がれた最初のシリーズの過去編なので、実はこれを読み終わってから、最初のを読むと二度美味しいんじゃないかと思うのですが。
 ちょっと今はそんな気力がないですけれども、いずれはそれもやってみたいなあと思ったりしたことです。
2008.07.04 Fri l 読書感想 l top ▲
 ゆうべはテレビで放送された映画『ヴィレッジ』を見たので、感想を書きたいと思います。

【あらすじ】
 主人公アイビーは、さまざまな掟のある村でくらしている。彼女の結婚が決まった日、恋人が知的障害のある青年・ノアに刺されて瀕死の重傷を負った。彼を助けるためには、森を越えて街へ行き、薬をもらって来なければならないのだ。
 父親から街へ行く道筋を教えられたアイビーは、森へと足を踏み入れるのだが――。


 最初は、いかにもゴシックホラーという雰囲気で、そういうのが好きな私にはそれだけでも惹きつけられる要素でした。
 主人公のアイビーは目が見えないのですが、何か不思議な力というか、オーラを見るような力を持っているらしく、そうした部分もまた、作品の雰囲気を盛り上げていました。
 また、撮り方がうまいというか、いかにもそれっぽくて、そこもよかったと思います。

 最後に来るオチは、あまりに想像もしていなかったもので、びっくりしてしまいましたけれども。
 村の年長者らの会話を聞いていると、「森の向こうの世界って、本当にあるの?」という気もしましたし、アイビーが教えられた道の突き当たりに、高い垣根を見つけた時には「もしかして、ここって精神病院で、彼らは実は閉じ込められていたのか?」とも思ったのですが。
 でも実際は――彼らは自ら、あの閉塞した環境を選んでいたわけですよね。
 そして、父親がアイビーに途中からは1人で行けと言った理由もなんとなく理解できました。
 目の見えない彼女には、外の世界と自分たちの村との激しい差がわからないから、だったんじゃないかなと。

 それにしても、見終わった後、この先彼らはどうなるんだろうと思ってしまわずにはいられませんでした。事情を知っている年長者たちが生きている間はいいとして、彼らが年を取って死んでしまったら?
 ノアが化けた「森に棲むもの」は、そうとは知らないアイビーによって殺されてしまい、年長者たちは事実を隠蔽するために、ノアは「森に棲むもの」と戦って死んだことにしようと話し合っていました。
 それを聞かされればおそらく、「森に棲むもの」が年長者たちの作った嘘だと教えられたはずのアイビーも、「やっぱりあれは実際に存在していたんだ」と思うに違いないでしょう。
 それにこの状態では、年長者たちがもし自分の死が迫ったとしても、自分の子供に事実を話すことをするかどうかは、わからないですよね。
 そうなると、アイビーたちの世代の者にとっては、作り事は全て真実になるわけで。
 なんというか、この村は同じ大地の上にある異世界なんだなという気がすごくしました。

 同時に、今私たちの生きているこの世界も、実はこんなふうに、箱庭のように区切られ守られた場所の中にあるだけなんじゃないかという気がひしひしとして来て、なんだか怖くなってしまいました。
 もしも、ですよ。
 日本にいろんな都市や県があることも、地球上にさまざまな国があるということも、全て作り事だとしたら? ただそんなふうに思い込まされているだけで、テレビで流されるニュースも、ネット上でのやりとりも、全てが何者かによって捏造されているだけのもので、本当は世界はたとえば自分の住んでいる都市だけしかないとしたら?
 もちろん、そんなことはあり得ないんだとわかってはいますけれども――。

 ともあれ、すごい映画だったと思います。
 ただ、テレビ放映なので、おそらくはカットされたシーンとかもかなりあるだろうし、いずれレンタルなどでDVDの方を見てみたいなと思ったことでした。

2008.05.31 Sat l ドラマ・映画の感想 l top ▲
 昨夜はテレビで映画『ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女』を見ました。

 まず、見始めての第一印象は、すごい! と懐かしい! でした。
 この映画の原作を私が読んだのは、小学校の高学年のころです。なのでもう、30年以上も前の話になります。
 それなのに、覚えてますよ。
 さすがに、細かいところは忘れてましたが、冒頭のタンスの中からナルニアに初めてルーシーが行くシーンだとか、タムナスさんとの会話だとか。
 原作は、小説なんですよね。なのに、挿絵のない部分も「映像で」覚えているんです。
 これって、かなりすごいことだと、見ながら改めて感動してしまいました。

 そして、そういう意味では本当に、感激の嵐でした。
 だって、タムナスさんにしろ魔女にしろ、ナルニアの風景にしろ、まさにまさに、かつて読んだそのとおりなんですから。
 それに何より、あのアスランが! 動いてしゃべってるよ〜! という、これこそが本当に感激でした。
 学校の図書館で借りた本でしたし、そんなに何回も読み直しているわけじゃないんです。
 でも、子供心にもアスランはとってもかっこよくて、人間じゃなくライオンってところも私の心にはぐっと来る要素の一つでした。
 それがまさか、本当に動いている姿を見ることのできる日が来るなんて。
 技術の進歩ってすごい! と本当に素直に思いました。

 そういうかつて原作ファンだった人間としての部分を抜きにしても、この映画は面白くて迫力のある作品だったと思います。
 殊に、凍った川が溶けてしまうシーンだとか、最後近くの戦闘シーンは、やっぱり大画面で見たかったなと思いましたね。
 これは、特撮系の映画などでも思うことですが、映画館で見て、その後DVDなどで見ると、感動そのものはよみがえって来ますけど、迫力には乏しくなってしまうので、その点ではやはり映画館で見る価値っていうものだなあといつも思います。
 子供たちの演技もなかなかで、特にルーシー役の子が可愛かったのが、よかったですね。
 あと、この人は原作に出て来たのかどうか、覚えていないのですが、子供たちに理解を示す教授がなかなか光っていました。
 ラストのセリフなど、「ああ、この人も子供のころにきっとナルニアに行ったことがあるんだ」と思わせて、そこに世界の広がりを感じました。

 にしても、続編の公開直前に前作を放送するというのは、たしかに何よりいいPR方法だとは思いました。だって、見終わった後に、続編のCM見たら、見に行きたくなりますもん(笑)。
 ただ、私の場合は懐具合との相談になりますから(特に、5月末は物入りなので……)、また地上波での公開を待つことになるかもしれませんが、それでも続編も見たいと思わせてくれる、すばらしい映画でした。
2008.05.19 Mon l ドラマ・映画の感想 l top ▲
 夕方のニュースで、ミス・イングランドの候補の1人に、ぽっちゃり体型の17歳の女性が選ばれたというのをやっていました。
 それに関連して、デザイナーの方が、これからはこうしたぽっちゃり体型も悪くない時代になるのかも、というようなことを言っていまして……見ていて、今の若い人はいいなあとふと思ったりしました。

 私は9歳ぐらいから太り始めて、24歳で痩せるまで、かなり太っていました。
 そして当時は、痩せた人は可愛い年相応のデザインのスカートやワンピースがあっても、同じようなデザインの大きいサイズはなかったのです。
 いえ、ブランドものとか高いものならあったのかもしれませんが、貧乏なうちの家計で手の出るような範囲内ではありませんでした。

 もちろん今の時代は40代でもおしゃれだったり可愛かったりする服は、手ごろな値段でありますし、実際身に着けている人もいくらもいて、私もまあ、それなりにそういう服装をしてはいますけれども。
 でもやっぱり、本当に若いころに、ちゃんと他の痩せた子たちと同じような、可愛い服装をしたかったなあというのが本音ですね。
 そういう意味では、もっと遅く生まれていれば、太っていても明るい青春時代を送れていたのかなあとふと思ったりしたことでした。
2008.05.06 Tue l 雑文 l top ▲
■『超人ロック エピタフ』1巻 聖悠紀(メディアファクトリー)

【あらすじ】
 ロックの元を訪れた歴史家の青年サイモンは、彼を前にある人物の話を始める。それは、帝国の大臣だったブリアン・ド・ラージュについてだった。


 今回の主人公は、ロックというよりもブリアンのようです。彼の子供時代から青年期にかけてのお話というところでしょうか。
 彼がどうやって帝国の大臣にまで昇りつめるのか、またサイモンの目的はなんなのか、興味深いところです。
 ところで、今回のを読んでいて、聖さんってほんとにいわゆる男尊女卑的な発想のない人なんだなあと、妙に感心したりしてしまいました。考えてみれば、この人の話にはごく普通に、女帝だとか女の将軍だとか、提督だとかが登場します。これまでそういうのを、なんの不思議もなく読んでいたんですけれども、改めて男性の描くマンガにはめずらしいことかも? という気がして来ました。
 それに、世界そのものの設定としてもめずらしい気がします。
 時代が未来の設定だろうと、女性が男性の上に位置するとだいたいは、反発だの軋轢だのがあったりするのがフツーのような? それはもちろん、現実の社会だったり、書き手の意識だったりを反映しているわけですが。

 それはともかく、どんな展開になって行くのかが、楽しみです。
2008.04.14 Mon l マンガの感想 l top ▲